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うつになることは恥じゃない~病気の先に見えるものとは


39歳で若年性痴呆症と診断された元・トップ営業マンの丹野智文さんをご存じですか?

現在、全国で講演会を開催されている丹野智文さんは、認知症になることは恥ではないと言います。

うつで仕事を休んでいらっしゃる方の中には、うつになったことを恥だと自分を責めていらっしゃる方もいると思います。

今日は丹野智文さんの言葉の中から、うつになった時の心得をご紹介します。

まさか自分が若年性アルツハイマー型認知症になるなんて・・・・・


2013年に若年性アルツハイマー型認知症と診断された丹野智文さんは、フォルクスワーゲン販売店でトップの販売成績を挙げる優秀な営業マンでした。

その診断を下されたのが彼が39歳の時。

住宅ローンも残っていて養うべき家族もいるのですから、その不安たるや相当なものだったはずです。

しかし、彼は今、営業から事務職に仕事を変わり、自分なりに工夫をしながら明るく暮らしています。

どうしてそんなことが出来たのでしょうか?




時は2009年に遡ります。

丹野さんは、仕事の時、記憶力が低下していると思うことが多くなり、詳しくメモを取るようになりました。

しかし、時の流れと共に段々自分のお客様のことがわからなくなってしまいます。

ついには一緒に働いていたスタッフの顔と名前までわからなくなり、異変をしっかりと認識した丹野さんはクリニックを受診します。



最初に訪れたクリニックでは精密検査が必要と言われ専門病院の物忘れ外来を紹介されます。

2週間の検査入院の末、クリニックでは若年性認知症だと思うけれど、確信がないので大学病院に行ってくれと大学病院を勧められます。

その後、1ヶ月の入院であらゆる検査を受けた結果、2013年に若年性アルツハイマー型認知症だと診断されたのです。



当時、小学生と中学生の娘さんがいて、住宅ローンも残っていましたから、まだまだお金が要ります。

それなのに大学病院に入院する前には、丹野さんのお客さんを全部後輩に渡してほしいと言われ、引き継ぎをしていました。

営業マンがお客さんを渡すということは、てっきりクビになるものと丹野さんは思います。



丹野さんは、奥さんと話し合って、洗車業務でもいいからやらせてほしいと社長に頼み込もうと決めました。

意を決して社長の下へ行き、病気のことを伝えたら、真っ先に言われたのは意外にも「戻ってきなさい。身体は動くんだろう?仕事は何でもあるから」という言葉でした。

それで本社の総務・人事グループに異動になり復職したのです。

病気をオープンにすることで受け入れてもらえる


今、丹野さんは教えてもらった作業をノートにすべてメモし、わからない時はそのノートを見て作業をするようにしています。

そうしないと、作業を忘れてしまうからです。

今ではそのノートはかなり詳細になり、そのノートを見れば誰でも作業が出来るまでになっています。



丹野さんが工夫したのは、もう一つ。

やるべき作業リストを作り、その作業が終わったらチェックシートにチェックを入れることで、ミスの発生を予防しています。



そんな前向きな丹野さんを会社はかなり気遣ってくれ、1日フルで頭を使うと疲れるので1時間の時短勤務と昼食後20分~30分の休憩を取ることが認められています。

丹野さん自身も自分のことがよくわかっていて、9時から11時までは集中できるので大事な仕事をこなし、あとは昼食まで簡単な仕事をする。

昼食後にリフレッシュして重めの仕事をこなし、脳が疲れる15時くらいからはまた軽めの仕事をするというサイクルで仕事をしています。



そんな風に会社が気遣ってくれるようになったのは、丹野さんが自分の状況を正直に話したからです。



丹野さんは仕事をこなすために記憶力を保たなければいけないので、かなり多めの薬を飲んでいます。

すると夜でも脳が活性化していて寝ていても夢ばかり見てしまう。

夢の中でも一生懸命考えているのでクタクタに疲れて、さらに夜中に何度も目を覚ます。

でも目覚めたら意図的に考えないようにすれば頭を休ませることができます。

だから、寝て起きての繰り返しになる。



そんな事情も正直に会社に伝えると、理解をしてくれ、昼寝の確保につながったそうです。


やはり正直に伝えることは大切なようです。

意外と認知症に対する偏見はない


そんな丹野さんの人生を大きく変えたのが「認知症の人と家族の会」宮城県支部への入会です。

そこにいる人たちは丹野さんの症状に寄り添ってくれ、理解してくれました。

その人達の穏やかな笑顔を見て丹野さんは「自分は一人じゃない」と強く感じ入会します。

その後、同じ立場の人の輪が広がって、丹野さんの人生は大きく変わります。

丹野さんは人生が大きく変わったことについて、以下のように言っています。



明るい認知症の方々に出会えて前向きになれたんです。

特に大きかったのは、私よりも何年も前に発症しているのに、とてもパワフルで元気かつ非常に明るくてやさしい認知症当事者との出会い。

この方を見て、すぐに寝たきりになるなんてないんだと安心しました。他にも元気な方はたくさんいました。

だから落ち込む必要などないと思い直しました。

日経ビジネス 39歳で認知症と診断されたトップ営業マン より引用



今でこそ講演会で全国を飛び回っている丹野さんですが、当初はオープンにすることに抵抗もありました。

オープンにすることで子供がいじめられるんじゃないか?もっと広く知られることで家族に迷惑がかかるのではないか?と心配したそうです。

ところが、お父様も奥さんも子供たちも、「やったらいいじゃない」と言ってくれたので、これからは自分の病のことを包み隠さずにいこうと決めたのです。



病気のことをオープンにした丹野さんは、オープンにした方が楽になるとその心境を次のように語っています。

私自身、病気のことをオープンにしてつくづく感じるのは、意外と認知症に対する偏見はないということ。

認知症患者であることが分かると、たくさんの人が助けてくれるんですよね。

全く偏見がないとは言わないけれど、偏見を持っている人とは付き合わなければいいだけの話(笑)。

だから、病気のことを隠さない方がいいと思います。その方が気持ちも楽ですよ。

日経ビジネス 39歳で認知症と診断されたトップ営業マン より引用



そして、これは認知症に限らずうつにも言えると思うのですが、病を隠すデメリットを次のように語っています。

認知症初期のころって、本人が隠そうと思えば、奥さんにだってばれないように取り繕えます。

でも、そのうち隠し通せなくなり、失敗が目立つようになるのですが、身近にいる家族がその現実を認めたくなくて、かつての姿を追い求めてしまうことが少なくありません。

それで、例えば本人が的外れな受け答えをしようものなら、家族がすぐに怒る。

すると本人は萎縮し、そうこうするうちに治療につながらないまま病が進行してしまう。そんな事例は多いです。

日経ビジネス 39歳で認知症と診断されたトップ営業マン より引用



いかがでしょうか?

うつになった時にも言えることではないでしょうか?

おかしくなったことを悟られたくないばかりに、平然を装って病を深めるということはよくありそうです。



最後に丹野さんは今の心境を次のように語られています。

先のことを考えれば不安がないと言えばうそになります。

やっぱり2年後、3年後のことを考えると怖いですよ、さすがに。

けれど、これからのことは考えないようにしているんです。

とにかく今、一日一日を楽しく過ごすことだけを考えていて、それで笑顔で過ごすことで進行が遅くなると信じています。

日経ビジネス 39歳で認知症と診断されたトップ営業マン より引用



いかがでしたか?

若年性アルツハイマー型認知症の丹野智文さんの体験は、うつになった時にも言えることが沢山あると思われませんでしたか?

今、うつになっていらっしゃる方の中には、うつになったことを隠していらっしゃる方もいると思います。

でも、うつになったことをオープンにすることで、スムーズにうつを乗り越えられることもありそうです。

少し勇気を出してうつになったことをオープンにしてみませんか?



こちらの記事も参考になります ⇒ あさイチ『夫のうつ』より 真実を告げること・オープンになることの大切さ

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